《会員紹介》「新潟県胎内市における薬用植物の取組について」 新潟県胎内市
2016年11月16日
「新潟県胎内市における薬用植物の取組について」 新潟県胎内市
当市は海岸沿いに広がる砂丘地帯があり、チューリップ球根や葉たばこを中心に多くの農産物が生産されてきた。近年、農業者の高齢化や、喫煙を忌避する社会情勢から葉たばこの廃作が進み、休耕地・耕作放棄地の増加が課題となり、これらの解消を図るため、現在ほとんどを輸入品に頼っている甘草に着目し、平成23年に市、JA、新日本製薬グループ、地元企業、NPOの官民協同による栽培協定を結び甘草栽培をスタートした。また、山梨県甲州市、熊本県合志市、青森県新郷村とともに、甘草を活用した地域振興のため、国産甘草の需要拡大を図る活動を推進する「全国甘草栽培協議会」をつくり国産生薬の安定供給を推進している。
栽培当初、当市の気候が甘草の自生している冷涼な砂漠地帯に環境が近いことなどをメリットとして挙げられたが、冬場の雪が生育にどのような影響を与えるのか、手探りの中でのスタートであった。酷暑期や越冬後枯れてしまうのも出てしまい、収穫量も思うような結果ではなかったものの、日本薬局方に定められている「グリチルリチン含有量2.5%」を超えるものが多く収穫された。これにより、国産甘草栽培地となる可能性が広がった。また、平成26年には市で所有していた施設を改修し「植物人工培養施設」を稼働し、自前で一定量の苗を確保し生産量の拡大を進めている。現在も産地に合った栽培技術の確立を目指し、収穫量、面積の拡大を図っている。
平成28年産 スペインカンゾウ
平成28年:定植 60a
平成27年:定植 40a
合計:1haの栽培をしている。
当市の甘草栽培は、苗を育成し、収穫した甘草の根を販売することだけでは輸入品との価格が合わず、地域振興につながるような作物になるのは難しいと思われる。そのため、6次産業化・高付加価値化に取り組み、生薬の漢方薬以外の他用途への活用を図るため、独自の新商品開発や販路開拓に取り組んでおり、平成27年には胎内市の甘草を使った商品として、化粧石鹸、お茶の開発・販売を始めた。
今後も、引続き生薬を活用した商品開発に取り組むとともに、地元企業と連携し、甘草を一次加工(乾燥・粉砕)から二次加工(エキス抽出・パウダー化)までを一括で行う施設整備を行い、生産者及び障害者の雇用促進を含めた施策展開を目指している。
甘草茶「あまき恵み茶」
甘草の甘みを黒大豆の香ばしさが
際立たせます。
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ほんのり体を温めてくれます。
女性に優しい恵みのお茶です。
【販売元】株式会社 優しい素材
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ふんだんに使った甘草と紫(ムラサキ)
の成分により、お肌のうるおいを保ち、
くすみも防ぎます。
泡立ちがよいのでお肌に負担をかけず、
優しい洗い心地です。
【販売元】株式会社 優しい素材
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新潟県胎内市
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